マンションにおける高圧電力一括受電とは?仕組みとメリットを解説
近年、マンションの電力管理において注目を集めているのが「高圧電力の一括受電方式」です。この方式には、電力コストの削減や管理効率の向上などさまざまなメリットがあります。しかし注意すべき点も存在するため、導入にあたっては慎重に検討しなければなりません。本記事では、マンションにおける高圧電力の一括受電の仕組みとそのメリット・デメリットについて詳しく解説します。
この記事を読むための時間:3分
マンションにおける高圧電力の一括受電方式
高圧電力の一括受電方式とは、マンション全体でまとめて購入した電力を各住戸に供給する方法です。通常各家庭が個別に電力会社と契約して電気を受け取りますが、一括受電ではマンションの管理組合が電力会社と一括契約を結びます。高圧の電力をまとめて購入することで供給コストが削減されるため、その分居住者が支払う電気料金を抑えることができます。
ただし一括受電方式を導入するには、専用の受変電設備や配電設備といった初期投資が必要となるので、しっかりと検討したうえで導入を進めましょう。
マンションでの一括受電の仕組み
高圧電力の一括受電の仕組みは、まず電力会社から高圧電力(約6,000V)を受け取るところから始まります。各住戸に供給するには、マンションの敷地内に設置された受変電設備で、高圧電力を低圧電力(100V/200V)に変換しなければなりません。料金は、各住戸に設置されたスマートメーターで計測された使用電力量に応じて請求されます。
マンションで高圧電力を一括受電するメリット
マンションで高圧電力を一括受電することにはさまざまなメリットがあります。これらのメリットは、居住者の生活の質を向上させるとともに、マンション全体の価値を高める可能性があります。ここでは、高圧電力を一括受電する主なメリットを2つ紹介するので、導入するか悩んでいる方はぜひ参考にしてください。
電気料金の削減
一括受電方式の最大のメリットは、電気料金の削減です。高圧電力の一括購入によって電気料金の単価が抑えられるため、その分各家庭に対する請求額も軽減されます。特に規模の大きいマンションでは、各家庭で使用する電力の他にエレベーターやエントランスなどの共用部でも多くの電力を使用しているため、単価の低い一括受電方式を導入することで大きなコスト削減効果が得られます。
管理の効率化
一括受電方式ではマンション全体の電力管理が一元化されるため、管理の効率が大幅に向上します。一つの契約でマンション全体をカバーすることで、住民1人1人が行う契約や支払いの手間が省けるだけでなく、管理組合としても管理にかかるコストや手間を削減することが可能です。
また、スマートメーターを使用することで各戸の電力使用状況をリアルタイムで把握できるようになるため、省エネ意識の向上や効率的な電力使用のアドバイスなど、きめ細やかなサービスが受けられます。
一括受電を導入する際の注意点
高圧電力の一括受電方式には多くのメリットがある一方で、導入に際しては注意すべき点も存在します。まず、高圧電力を購入するには敷地内に受変電設備や配電設備を設置する必要があるため、初期費用が高額になります。またマンション全体で一括契約を結ぶため、住民全員からの同意を得なければなりません。
さらには、一括受電サービスの契約年数は一般的に10~15年と長く、契約期間内に解約する場合は高額な違約金を請求される可能性があります。
高圧電力の一括受電は電気代削減に効果的
本記事では、マンションにおける高圧電力の一括受電の仕組みとそのメリット・デメリットについて紹介しました。高圧電力の一括受電方式は、電気料金の削減や管理の効率化など多くのメリットをもたらします。
しかし導入にあたっては初期費用や住民間での合意形成などの課題も存在するため、慎重に検討しなければなりません。マンションの規模や居住者のニーズ、長期的な費用対効果などを総合的に判断したうえで導入するかどうかを決めましょう。
高圧電力に関するご相談はコチラ → 株式会社情熱電力