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特別高圧電力とは?高圧電力との違いとその仕組みや利用シーンを解説

鉄塔と送電線

電力の供給形態は、その電圧の大きさに応じて「低圧電力」「高圧電力」「特別高圧電力」に分けられます。特別高圧電力は、大容量の電力を効率的に供給できるため、主に大規模な工場や大型商業施設などで使用されています。本記事では特別高圧電力の定義やその用途、供給方法、安全性についてくわしく解説します。

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特別高圧電力とは?

特別高圧電力とは、直流、交流ともに電圧が7,000Vを超える電力のことです。一般的に20,000Vや60,000Vの電圧で供給されます。このように非常に高い電圧で供給が行われるため大量の電力を効率的に送電することが可能となり、電力損失を最小限に抑えることができます。契約電力は2,000kW以上に設定されるため、大規模な工場や商業施設など常時安定して大量の電力を必要とする場所での利用が一般的です。

電気料金は協議制によって決定されますが、料金単価は高圧電力よりも低めに設定されていることが多いです。協議制とは、電力会社と契約者が電気料金や契約条件について個別に相談し決定する方式を指します。この方式は、特に電力消費が非常に多い大規模な工場や施設で採用されることが多く、契約者の電気使用量や需要パターン、特定の条件に応じて柔軟に料金が設定されることが特徴です。

特別高圧電力がよく使用される施設

特別高圧電力は、電力消費が非常に大きい大規模な施設や産業用設備で使用されます。以下は、特別高圧電力がよく使用される施設の一例です。

  • 大規模な工場
  • 大規模な商業施設
  • オフィスビル
  • デパート
  • 空港
  • データセンター

大規模工場では、大型の製造設備や生産ラインの稼働に必要な大量の電力を安定的に供給する必要があります。また大型の商業施設やビルでは、空調設備やエレベーター、照明など、さまざまな設備の運用に特別高圧電力が利用されています。さらにデータセンターなどの施設は、24時間365日安定した電力供給が必要なため特別高圧電力が欠かせません。

特別高圧電力の供給方法と安全性

特別高圧電力の供給は高度な安全性と信頼性を確保するために、専用の設備と厳格な管理体制のもとで行われています。特別高圧電力は近隣の変電所から大規模施設に直接供給され、施設内に設置された受変電設備を用いて適切な電圧に調整されます。特別高圧電力は非常に高い電圧で供給されるため、専門の技術者による管理はもちろん定期的な点検や保守管理が必要です。

電力供給の仕組みと電力の分類

発電所から需要家まで段階的に電圧を変えながら各施設に送られるのが、電力供給の仕組みです。発電所で発電された電力は、長距離送電時の電力損失を最小限に抑えるために超高圧電力で送電されます。変電所で特別高圧(供給電圧20,000V以上)に変圧された電力は、大規模な工場やビルなど電力消費が非常に大きい施設に送られます。

その後、いくつかの変電所を経由して高圧電力や低圧電力など、さらに低い電圧に変圧されるのです。供給電圧が約6,000Vの高圧電力は中小規模の工場やオフィスビルに、供給電圧が100Vや200Vの低圧電力は一般家庭に送られ使用されます。この段階的な電圧変換により、エネルギー損失を最小限に抑えつつ各施設に適した形で電力が供給されています。

大規模施設には特別高圧電力が最適

本記事では特別高圧電力の定義やその用途、供給方法、安全性についてくわしく解説しました。特別高圧電力とは、大規模施設や工場のように電力消費量が多い場所に適した電力供給形態です。

大量の電力を高電圧で供給することにより、送電時の電力損失を最小限に抑えることができ、結果として電力コストの削減にもつながります。また電力品質も高く電力供給の安定性も確保されているため、安心して効率的に事業を継続できます。

この記事の著者

Naczi

1977年1月17日生まれ 長野県在住。旅人生活を経験し学ぶことの大切さを知り、25歳で立命館(法)に入学。卒業後リクルートを経て起業し並行して政治業界でも活動。2016年電力小売自由化に伴い電力業界に参入しゼロベースからノウハウを構築。幅広い知識が必要な業界であり、かつ、変化の激しい電力業界でお客さまが本当に安心できるインフラ企業の実現を目指す。

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